複雑すぎて覚えられない!「自転車の信号ルール」

知らないから自転車も自動車もイライラしている

最近「それって信号無視じゃない?」のと思えることが増えています。


特に自転車。

調べてみると実は自転車の信号のルールって思ったより難しいのです。


詳しいルールを知らないで自転車に乗っている人もいるかもしれませんし、車のドライバーも実は自転車のルールを誤解しているのかもしれません。


「あの人はルールを守っていない」とお互い嫌な感情を持てば、危険な交通トラブルにつながってしまうかもしれません。怖いな。


今回は車のドライバーも自転車に乗る人もお互い知らないと損をしてしまう自転車の「信号ルール」を整理してみます。

「車の信号」と「人の信号」がある


道路には色々な信号がありますが今回はわかりやすくするため2つに分けてみます。


ひとつ目は赤青黄の一般的な信号。ここでは車の信号と呼びます。


ふたつめは人の形の記号のある信号で、人の信号と呼びます。


これらの呼び方は正しいものではないのでご承知ください。


車の信号だけが設置されている場所では車も歩行者も車の信号に従います。


車の信号と人の信号の両方がある場所では車は車の信号、歩行者は人の信号に従います。


赤信号では皆止まります。


自転車は車の仲間なので「基本的には」車の信号に従います。


「基本的には」とはそうではない場合があって、人の信号に従うこともあります。

自転車には「車モード」と「歩行者モード」がある


今回の説明で使う自転車の「車モード」と「歩行者モード」について説明します。


「車モード」とは自転車に乗っている人が「今の私は車だと思って走行している時」です。


「歩行者モード」とは自転車に乗っている人が「今の私は歩行者だ」と思って走行している時です。


これは自転車に乗っている方が、両方のモードで道路を走れるということではなく、基本は「車モード」で。


歩道などを通る場合は「歩行者モード」になるということです。

「車モード」の時、自転車は車道を通行します。


信号機のある交差点に差し掛かった時は車の信号に従い、青ならそのまま進む事ができます。


走行位置もそのまま真っ直ぐで大丈夫です。


自転車は青信号では直進し左折することができます。


右折するときは右折地点まで直進してから向きを変え、進行する方向の信号が青になるのを待ちます。


自転車は「車モード」の時は車の信号に従って進むのです。


「歩行者モードの場合」です。


自転車は「自転車および歩行者専用」標識がある場所、子どもや高齢者、交通状況によりやむを得ない場合などは歩道を通行できます。


細かなルールは省略しますが、この時は歩行者が優先。


邪魔にならないように、場合によっては自転車を降りて引っ張って歩くことも必要です。


「歩行者モード」の時、自転車は人の信号に従います。


そして歩行者の邪魔にならないよう横断歩道を通ることもできます。


自転車は「車モード」か「歩行者モード」かによって従う信号が異なります。


この「モードの区切り」は自転車を運転している本人がどう思っているのか周りにはわからないのでっちょっと曖昧なのですが、走行位置によってどちらなのか判断するのが良さそうです。


歩行者モードでを道を通行していたら「人の信号」が点滅したので急に「車モード」に変更して、「車の信号」に従うため車道に飛び出したりするのは危ないです。


どちらの信号に従うかちょっと選択できる部分がある自転車のルールですが、従う信号や走行位置が決められている場合があります。


信号に「歩行者自転車専用」がついている時は、自転車は自分が何モードであってもこの信号に従わなければなりません。

実は危険な「自転車横断帯」は減っている?


自転車横断帯がある場合はそこを通行しなければなりません。


自転車横断帯は自転車が通行するゾーンで、横断歩道の隣、交差点側に設けられています。


また歩行者が歩道橋を渡ることになっている場所では、単独で設置されることもあります。


自転車は何モードで走行していても、この標識や自転車横断帯があったら従う信号や走行位置を変えなければならないということですね。


この自転車横断帯で、自転車と周りの車がぶつかりそうになることが多いようです。

車道を「車モード」で走行している自転車が、前方の交差点に自転車横断帯があるのを発見しました。


このまま自転車横断帯に入ります。


この時自転車は、そこに入るため一度左に寄るようになるのですが周りの車からは自転車が左折するようにも見えます。


「自転車は左折するだろう」と判断して進行すると、衝突するかもしれません。


また自転車が自転車横断帯の通行を終えて再び車道に戻る時、進路を右に変えることになるので後続車の前に出るようになります。


この時も危ないですよね。


なので最近は、自転車横断帯を撤去するところが多いようです。


自転車横断帯がある場所では、自転車も周りの車もお互いの動きを注意深く観察したほうがいいですね。



自動車と自転車のトラブル続出「歩車分離式信号」


自転車と車の信号について最もややこしくトラブルになりがちなのが「歩車分離式信号」がある交差点です。


「歩車分離式」とは車両と歩行者の横断が交わらないように青信号のタイミングを分離しているものです。


いずれかの方向の車の信号が青の時は、人の信号は赤。


人の信号が青の時は車の信号が赤になります。


この信号でトラブルになるのが、「車の信号」に従って停止している車(自動車)と「車モード」の自転車です。


車のドライバーがこの自転車を「歩行者モード」と見ていた場合、「車の信号」が青のとき「人の信号」は赤なので、「自転車は進むわけがない」と思っています。


ところが自転車は「車モード」なので、「車の信号」に従って何の迷いもなく交差点の中に入っていくことになります。


車(自動車)のドライバーはびっくり!


窓を開けて「信号無視だ!」と怒る人もいます。


自転車はルールを守って怒られてはたまらないし、車のドライバーも誤った認識でイライラしているので、これではお互い損ですよね。


歩車分離式信号では、どちらの信号に従うかで進むor止まるが全く反対の行動となります。


自分が思っていたのと異なる行動は目に付くので、いろいろなトラブルになってしまうことが多いのだと思います。


自転車と自動車。お互いの交通ルールを知ることで安全に通行できるようになるかもしれませんね。



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