自転車のルール!「右側通行」が絶対ダメな理由

自転車は快適だけど・・事故が怖い

あなたは自転車って乗りますか?

通勤・通学やお買い物に大活躍。

天気が良ければ気持ちいいし、健康維持ができる趣味としてもいろいろ楽しめますよね!

心配なのが「自転車に乗っていて車とぶつかったらどうしよう・・」。

自分自身もそうですが、ご家族、特にお子さんが「自転車で出かけるよ」なんて言うと不安な気持ちになる方もいるのではないでしょうか。

自転車の事故で一番多いのが出会い頭事故。
見通しの悪い交差点で横から来た車とぶつかったとか、歩道を走っていたらわき道から車が飛び出してきたなんてものです。


この事故をどうやって回避するのか・・ということが自転車利用者にとって大事なのですが、出会い頭事故を防ぐとても良い方法といいますか、交通ルールがありますので、今回はそれを紹介したいと思います。

やり方はとても簡単。

子供さんでもできます。

周りの方にも是非伝えてあげてください。



自転車事故に遭わないテクニックとは?

自転車の「出会い頭事故を防ぐとても良い方法」というのはいったいなにか、

それは道路の左側を走ること。

自動車が進む方向(流れ)と同じように走ると良いですよ!ということです。

「それだけかよ!」って思われるかもしれませんが、たったこれだけで事故に遭う確率がグッと減るということですから不思議です。

自転車の左側通行は法律で決まっています。


自転車は、車道を通行する場合、左側を通行しなければなりません。
また、路側帯を通行する場合でも、左側部分に設けられた路側帯を通行しなければなりません。


自転車で車道の右側を通行した場合は、通行区分(右側通行)違反となります。罰則(3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金)もあります。

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。

4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。

(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。

2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。

(左側寄り通行等)
第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。


車道を逆走してくる自転車と自動車が安全にすれ違うのは正直無理です。

避けるスペースなんてありませんし、お互いそれなりのスピードで接近しあっているので発見しても「どうするか」考える時間もありませんからね。

タイミングが悪ければ正面衝突するしかないので、それは絶対にやめましょう。

運転者の視覚は右方向・・ってなんだろう?

自転車事故で最も多く発生しているのは「出会頭事故」ですが、自動車と自転車・お互いが左側通行することで、かなりの事故防止効果が望めるようです。


その理由として「運転者の視角は右方向」という特性が挙げられています。

皆さんは交差点で安全確認するとき、「右・左」と見るでしょうか。それとも「左・右」と見るでしょうか。


おそらく「右・左」の順番で確認すると思います。

私たちは子供の時、道路の歩き方を学びます。

学校に警察官や交通巡視員の方などが来て、横断歩道の渡り方教えてくれますね。

そんなとき「右・左(もういちど右)」と確認するように言われます。

この右・左。どうしてこの順番で確認するのか。それは日本が左側通行だからですね。

車は道路の左側を通行してきます。

ということは交差道路に出たときは初めに衝突するのは右から来る車で、それを防止するためにまずは自分に近い右側を確認し、そのあとに左側を確認するわけです。

アメリカや中国など右側通行の国で横断するとき「右・左」の順に確認すると車にひかれそうになるので一発でわかります。

これは自動車や原付、自転車も歩行者もみな同じ。

日本の道路では基本的にこのような方法で安全確認が行われています。

自動車の左側から接近すると「気づいてもらえない?」


合理的なこの確認方法ですが、逆方向から接近された場合は信じられないくらいの見落としが起こることがあります。

以前、駐車場から出てくる自動車と右側通行の自転車が接触する映像を見ました。

自動車を運転していた男性はかなりゆっくり慎重に出てくるのですが、歩道で自転車とぶつかった後もこれに気づかず2、3mほどそのまま進んでいたのが驚きでした。

おそらく右ばかり確認して左側の自転車の存在に全く気付かなかったのでしょう。

自転車からみればぶつかった後も自動車が止まらないので、かなり怖い思いをしたのだと思います。

これが「運転者の視角は右方向」ということですね。

神ルールは平成25年からはじまった

ということで、わき道からニョッと出てくる自動車に対しては右側から、運転席側から接近したほうが、ドライバーに発見してもらえる確率が高くなるということになりそうです。

これについてはいろいろな調査が行われており、走行位置によっては法律に従った左側通行に対し逆走である右側通行の危険性が、最大50倍まで高まることがあるそうです。

こんなこと知ったら絶対に左側通行をした方がよいですよね。

このような調査をもとにしたかどうかわかりませんが、平成25年に自転車の左側通行が義務化となりました。

正確に言うと「自転車等軽車両が通行できる路側帯は道路の左側部分に設けられた路側帯に限定」ということです。

自転車の通行位置を簡単にまとめると

⦁ 車道の左側を通行
⦁ 左側の路側帯を通行 です。


歩道がある道路で車道を通行するときも左側通行なので、自転車はほぼすべての道路で左側を通行することが義務づけられています。


それまでは自転車は路側帯を利用する場合、道路の右側でも左側でも通行することができました。

白い線の内側なら歩行者をじゃましなければ逆走もありだったのです。

自転車の路側帯における左側通行が義務化されて約10年。

出会い頭事故は減ったのか。正直何とも言えません。

交通事故件数は全体で減少していますが、道路環境の整備やドライバーの意識変化など様々な要因があって、左側通行義務化がどのくらい影響しているのかわからないからです。

しかし「運転者の視角は右方向」という話は納得できますので、実はかなりの事故防止効果があるのかもしれません。

ルールを守っていても危ない場所がある。それは・・歩道?

自転車は車道では左側通行、路側帯でも左側通行。

そうなると右側通行するときなんてないじゃないかと思うでしょうが、勘の良い方はもう気づいているはず。

そう、歩道を通行する場合はこれに含まれていないんですね。

自転車が歩道を走行できる場合はいくつかあるのですが、基本的には自転車通行可の標識のある歩道はどなたでも通行できます(ほかに、年齢等、危険な場合に通行できます)。

行きたいお店が道路の反対側にあれば、右側通行することもあります。

こんなときは危ないとき。

交通ルールを守って運転していても歩道を車の流れと逆に走行している場合は出会い頭事故に遭う確率が高くなるかもしれません。

走行中にわき道から車が出てきたら「もしかして気づかれていないかも」と考えなければなりませんね。

またちょっと郊外に出れば歩道もずっと続いているわけではなく、また一時的に車道に降りなければならないときもあります。

どうしても左側通行できない場合もあるかもしれません。


ほかの車の流れと逆に動いているときは、正面衝突だけでなく出会い頭事故にも気を付けなければならない「危険状態」にあることを自覚してもらうだけで、事故防止効果があると思います。


詳しい内容や意味なんて分からなくても「自転車は左側通行だよ」って教えてあげれば、大人でも子供でも自動車の出会い頭事故は減るはずです。


単純ですがスゴイ効果が見込めるこのルール、是非多くの方にやっていただきたいと思います。