深視力検査が難しい2つの理由とは?検査員がアドバイス

 

私はこれまでに何度も視力検査に携わり、多くの検査器に触れてきました。

合格のコツについて紹介します。

「深視力検査」は苦手な方が多いです

2.5m先にある三本の棒のうち真ん中の棒だけが前後に移動します。

三本が横一直線にそろったところで手元のボタンを押します

この時の誤差が3回の平均で20mm以下であることが合格の条件です。

やや「遠くのもの」を見る検査です。

深視力検査が難しい、苦手と感じる理由は2種類

私はこれまでに何回も深視力検査の現場に立ち会い、たくさんの「苦手な方」を見てきました。

そのような方に共通する2つの点を紹介します。

理由1 本当に視力が低下している

何らかの原因で深視力に支障がある人、適切な奥行き知覚を持たない人がいます。

  1. 乱視
  2. 視力差
  3. 寝不足 など

乱視や左右の目の視力差が原因であれば、眼鏡屋さんで解決できると思います。

寝不足な方はしっかり休んでください。

眼鏡屋さんに行く理由はつぎのとおりです。

棒の太さの違いが分かるようにしましょう!

これは真ん中の棒がいちばん奥にある状態のイメージです。

これが三本並んだ状態。

いちばん手前にある状態。

違いは真ん中の棒の太さだけ。

太ければ手前にあるように見え、細ければ奥にあるように見えます。

目からは棒の太さの変化情報しか取り入れることができませんので、この違いがわからなければ(見えなければ)判断のしようがありません。

運転免許試験における深視力検査が必要な車種は、片眼0.5以上、両眼0.8以上の視力が必要です(準中型・中型・大型・牽引・二種)。

それに満たない視力では、この棒の変化の違いがわからないかもしれません。

このような方は基本的な視力が低下している恐れがありますので、まずは眼鏡屋さんなどに行って3本の棒がはっきり見えるようにしてもらいましょう。

「両眼の視力に差がある方は、立体的に見えづらい」という話も聞いたことがあります。

「深視力検査」が苦手な人はやってはダメ!3つの対策

カッコいいオヤジメガネの選び方はこちら


理由2 視力は良いが「棒が動くイメージを」持ち合わせていない

適切な視力を持っているのにもかかわらず、検査画面を見ると頭がくらくらしてしまうような人がいます。

このような人は「棒が動くイメージ」を持ち合わせていません

モノがはっきり見え片眼0.5・両眼0.8をクリアしていても深視力検査が「できない」人がいます。

「この棒って本当に動いているの?」「手前に来ているか奥にむかっているのか全然わからない!」

これは「見えているのにできない」状態ですね。

一方、簡単にできる人もいます。

「今は手前に動いている。」「もうすぐ一直線に並びそうだ。」

このような人は「棒がどのように動いているのか」をよくわかっています。

どのくらいの速さで動いているのか、どのくらいの距離を移動しているのか、どのように折り返しているのかなどです。

これは「手前から奥まで何秒で移動している」という情報ではなく、棒がこんな感じで動いているんだな・・というイメージがその方の頭の中にあるということです。

苦手な方はこのイメージができていないか、大きく外れています。

棒がとんでもない速さで動いているとか、すごく短い距離しか移動していないとか、一瞬で折り返してくるなんて風に思っていることが多いです。

イメージがあまりにも実際と違うと、見えているものとの差がありすぎて手前や奥でボタンを押してしまうことになるのです。

あまりにも外れたところでボタンを押してしまうことが続くと記録がとんでもないことになるので、検査に合格することはできません。

こちらの映像を見て、棒が手前に動いているのか奥に向かっているのか、一瞬でわからない方は「棒の動きのイメージ」を持っていません。

「棒の動きのイメージ」についてもっと詳しく説明している記事はこちらです。

深視力トレーニング動画はこちら