「廃止はいつ?」深視力検査を行う根拠とは

深視力検査画面。clickで再生(右側に「判定●」のアイコンが出たタイミングが合格基準20mm以下)

大型免許・中型免許・準中型免許などを取得するために、通常の視力検査深視力検査に合格することが必要です。

  • 通常の視力検査 「ランドルト氏環」を用いた視力検査
  • 深視力検査 「三桿法(さんかんほう)」を用いた検査

三桿法は、「物体を立体的に捉える力」「正常な遠近感」を測定する視力検査です。

3本の棒のうち真ん中の1本が前後に動きます。すべての棒が1列に並んだタイミングで手元のスイッチを押し、棒の動きを止めます。

棒の位置の誤差から深視力を測定します。

合格基準は3回の誤差の平均が20mm以内です。

深視力検査は「廃止するべき」という意見があります

免許取得や更新時の深視力検査について、否定的に考える方は多いです。

「これがあるから二種免許や大型免許の取得を諦める人が多い。」
「ドライバー不足に拍車をかけているだけ。」
「5年おきに失業する可能性があるというのは勘弁してほしい。」
「ライドシェアが解禁になって深視力の意味はどうなの?」 

深視力検査に合格しないと免許の更新ができず、不安に思う方はたくさんいます。

また、検査の方法について疑問を感じる方もいます。

「ずっとできないでいたら担当者が咳払いして合図してくれた」
「実際の免許更新では何回もやり直しが出来る」

現場の対応もまちまちで「意味のない検査だ」という意見も聞かれます。

「実際の運転での支障はほぼない」
「現在はバックモニターがついていて安全性は向上している」

など検査自体の存在に疑問を持つ声も・・。

これらのことから「深視力検査はもう廃止するべき・・。」と考える人もいるようです。

深視力検査が難しい2つの理由とは?検査員がアドバイス

検査を行う根拠は?

自動車の運転には適切な視力が必要です。

運転中の情報の90%は、目から取り入れられていると言われます。
ですが、深視力については「なぜやるの?」と考える人が多いようです。

深視力検査が大型免許などの取得に必要なのは、適切な深視力がないと事故を起こす可能性が高くなるためです。

バスやトラックなどの大型車両運転の特徴として

  • 内輪差が大きい
  • ミラーを使って距離を測ることが多い

など、運転を難しくさせる要素があります。

そのためバスやトラックなどの大型車両を運転するためには「物を正確にとらえること」「正確な遠近感をつかむこと」が必要となります。

免許取得や更新における深視力検査の必要性について、参議院調査室に問い合わせた人がいます。


その質問に対する回答として

  • 深視力検査の実施は、道路交通法施行規則第23条により定められていること
  • 深視力と運転の関係性を示す複数の論文

が挙げられたことが掲載されています。https://go2senkyo.com/seijika/178686/posts/405388

深視力は遠近感や距離感の能力を示す機能。深視力の低下は、前方車両や交差点右折時の対向車との距離感、あるいは信号のない交差点で右左折する場合の左右からの車との距離感を判断する場合に非常に重要。(高齢ドライバへの応用を考えた運転視力測定システム 中野など2006)

さらに、「見直しの検討について、有識者会議を開催するなどの動きはない」との回答を得たとのことです。

昭和30年代からずっと行われてきた検査。それを廃止するのはなかなか簡単ではありません。

ということで、私たちはもうしばらく深視力検査に立ち向かわなければならないようです。

深視力検査を受ける前にできる対策

深視力検査を受ける前に私たちが行うことができる対策を紹介します。

目に合ったメガネ・コンタクトを準備する

度数の合っていないメガネ・コンタクトレンズを使っていると、視力検査・深視力検査の合格は難しくなります。

視力は年齢等により常に変化しますので、定期的に眼科や眼鏡屋に相談することが必要です。

度数の合っていないメガネ・コンタクトレンズをそのまま使い続けると。乱視・遠視・近視の症状が悪化することがあります。

検査前日は目を休ませる

視力と深視力は体調と大きな関係があります。

深視力検査の前日は、目と体を休ませましょう。

スマホやパソコンからはブルーライトは発せられています。前日に長時間使用すると目が疲労しますので、注意してください。

目を休ませるためには目元のストレッチなどが有効です。

健康が良くなるお風呂上りなどに行なうと効果的です。

そして早めに就寝することが大切です。

深視力検査の練習を行う

深視力検査の練習をすることがおススメです。

特に次の方は是非取り組んでください。

  • はじめて視力検査を受ける方
  • 自信のない方

深視力検査器の画面は真っ白な背景と三本の黒い棒だけです。

そのため深視力検査器の画面を見にくいと感じる人は多いです。

極限まで無駄を省いたシンプルな世界で遠近感を表現しているわけです。

この画面に慣れていないと適切な視力を持っていても深視力試験に合格できないことがあります。


これがサバンナの背景だったらどうでしょうか。

そしてライオンとサイとどちらが遠くにいますか?というような検査だったら、受検者の反応も変わるかもしれません・・。

「ライオンが手前」に見えたら、運転の継続についてよく考えたほうが良いと思います(笑)

深視力検査は眼科などで練習することができます。

また一部のメガネ店も三桿法による検査を受けることが可能です。

しかし眼科では1,000円前後の料金がかかります。

メガネ店で深視力検査を受けられるのは、メガネを作る場合に限られることが多いです。

そこで、スマホがあれば簡単に深視力検査の練習ができる「トレーニング動画」を紹介します。

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深視力トレーニング動画デモ clickで再生されます。

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