認知機能検査で不合格となる人とは?検査員が現場で感じる「3つの行動特徴」

75歳以上の方が免許更新の際に受ける「認知機能検査」。

その検査会場で、「不合格」になる方と「合格」となる方の行動の違いについて紹介します。

もちろん紹介する内容はあくまでも個人的な感想。科学的根拠はほぼナシであることはご承知ください。

ですが何度も検査に立ち会っていると「この方は何となく不合格になりそうだな」というのがわかるもの。世の中「現場の肌感覚!」で回るところもあるので、参考のひとつにしていただけたらありがたいです。

検査を受ける方に安心してもらいたい

この記事を書いた目的は「認知機能検査を受ける方に安心してもらいたい!」です。

認知機能検査を受けに来る方みなさまは、まさに「鬼の形相」でいらっしゃいます。

「不合格になったら免許が無くなるんだろ!」「もう運転できなくなったら終わりだ・・」みたいな感じ。

認知機能検査で「認知症のおそれあり」と判定される方は数パーセント。その中から医師の診察を受け「認知症」と診断される方はさらに限られます。大半の方はなんだかんだ言っても免許更新できると思ってください。

とはいっても認知機能検査を受ける方が大きな不安を抱えていることは事実。この記事をご覧になって少しでもホッとしていただけたらありがたいです。

またこの記事の内容につきまして、認知機能検査を受ける当人だけでなく周りの方、息子さん娘さんやご近所の方にも周知していただけたらありがたいです。

御本人様がこの記事にアクセスすることがなくても周りの方が「ネットでこんなこと書いてあったよ」って伝えていただければ、少しは安心の材料になるかと思います。

検査員が教える認知機能検査「当日できる」得点アップ3つのコツ

不合格となる方の特徴1 会場に来ても手続きしない

合格となる方はとにかく「せっかち」に早く会場入りされます。

13時開始の検査に、お昼前から受付にいらっしゃいます。まだ受付できないことをお伝えすると、仕方なく待合室の椅子に座って時間をつぶしていらっしゃいます。

トイレや喫煙所の場所を早くも発見し、常に一か所にとどまらずウロウロしています。

不合格となる方はさらに早く会場入りされています。

13時開始の検査で9時くらいには待合室に座っています。ですが受付手続きは行いません。

受付終了時刻が迫ってきて「○○さんがいらっしゃらない」と受付がざわざわし御自宅に電話すると「今朝早くに出掛けましたが・・」との奥様の言葉。

もしかしてあそこにずっと座ってらっしゃる方が○○様なのではと声をかけると「そうです」とのご返答。全く落ち着いていらっしゃいます。

不合格となる方の特徴2 待ち時間はなにもしない

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合格となる方は待合室であれこれ受検対策を講じています。

なにやら怪しい紙にメモしたり、スマホや手帳を開いて落ち着かない様子です。

認知機能検査ではカンニングはダメ。受検できなくなりますのでご注意ください。

認知機能検査対策の本を読んでイラストを覚えようとする方も。そのうち受付を済ませた「同士」との会話がはじまり、「なんでこんなの受けなきゃならないんだよ!」といった話で盛り上がります。

会場ではとにかく席にこだわり「こんな後ろじゃイラストが見えない」とか「声が聞こえない」なんて文句を言います(声が聞ききとりづらい場合は、事前に伝えることで前の席に案内されます)

検査会場では用意された筆記用具だけを使うことが多く、腕時計や筆記用具など持ち物はすべてしまうように言われます。

これについても多少の文句が。ですが決められたことなので仕方ない。この後行われるイラスト問題の暗記に集中していきます。

不合格となる方は、待ち時間になにもしません。

携帯電話も見ませんし本も開かずただジッと座っています。とても落ち着いているように見えます。

他の「同士」が話しかけてきても軽くあしらい「ちょっとのんびりした人だな」なんて思われて受検者グループの会話には交わりません。

会場入りもゆっくり。指定された席に黙ってすわります。

「イラストがが見えにくいとか声が聞きづらい方はいらっしゃいませんか?」という検査員の呼びかけにも反応せず、そのまま検査に入ります。

不合格となる方の特徴3 検査中も落ち着いている

合格となる方は、とにかく検査中に「喜び悲しみ憂い」といった感情がにじみ出ます。

「時間です」といわれると「はぁ~」なんてとても残念そうな様子。真剣に検査に取り組み一点でも多くとろうとされています。

また「筆記用具を置いてください」という呼びかけにも従わず、注意されるととても不服な様子でいらっしゃいます。検査員も負けないように毅然とした態度で臨みますが、正直意地の張り合いでとても疲れます。

検査が終わっても会場を出るとき思ったより手ごたえがなかったのでしょうか、「寒かった」とか「椅子が固かった」なんて文句を一つ二つ残します。

不合格となる方は検査中も態度はまったくかわらず落ち着いています。

ですが動きはとてもゆっくり。「はじめてください」という呼びかけに対しても反応は薄く、問題に取り掛かるのも遅く見えます。

文句も言わず検査員としてはやりやすいのですが、本人の検査用紙への記入はほとんど行われていません。「もしかしてやり方がわからないのかな・・」なんて心配になりますが、本人に困ったり焦ったりする様子はみられません。

「このままじゃ不合格になっちゃうよ・・」というペースで時間は進み、検査終了となります。

まとめ 不合格となる方はとにかく「ボ~っと」している

認知機能検査を受ける75歳以上の方はとにかく「いろいろ」です。とても同じ年代とは思えないくらい個人ごと様子が違います。

やたら元気な方やとにかく落ち着いて見える方など、単純に「性格の違いでしょ」とは言えないものがあります。

それまで過ごされてきた生活スタイルや考え方などによって、見た目にも行動にも違いが表れるのがこの年代なのでしょうか。

認知機能検査で不合格となる方はボーっと見える方が多いように思えます。動じない態度が立派にも感じるのですが、自分では始めない、言われてもすぐやらない様子があります。集合から検査までずっと同じ態度。それは検査結果を伝えてもあまり変わりません。この後警察から「病院に行って「認知症」の検査を受けるように」と言われるのですが、手続きがきちんとできるのか心配になります。

合格となる方にはどうにかして検査をクリアしてやろうという気持ちが見えます。悪い言い方をするとカンニングしてもいいから合格したい欲とかあさましさですね。ですがこれはとても必要なことだと思います。合格の結果を知ると「満面の笑み」を浮かべ「良かったよ!ありがとう」と安心したご様子。「せっかち」「文句」「落ち着かない」態度はすべて検査への不安によるもの。そのように心がコロコロ動く方はおそらく認知症ではないでしょう。

「物忘れが多くなった」「物の名前が出てこない」といった自覚は誰にでもあるもの。検査が不安でしょうがないとか、気になってイラスト問題を調べてしまったなんて方。嫌だとか不安に思うのは元気だからです。

不合格となった方のその後は?

認知機能検査で不合格となった妙な落ち着きのある方。その後どうなったのかというと、普通に高齢者講習を受けにきていました。

どういうことかというと、医師によって認知症ではないと診断されたからです。

認知機能検査はあくまでも認知症のスクリーニング検査。そして検査員も医学の知識なんてほとんど持ち合わせていないので、認知症であるかどうかの判断は病院でないとできません。

検査が不合格となった後、警察の指示に従って病院で受診。その結果認知症でないことがわかったので、高齢者講習を予約してその後免許更新することになったのですね。

はじめに認知機能検査で不合格となる方は数%と言いましたが、その中でも認知症と診断されて免許取消となる方はさらに限られます。

もし検査が不合格となってもそれは段階のひとつ目。必要以上の不安を持たず、リラックスして受検できるといいですね。

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