「4トントラック」とは?寸法がバラバラでも「8t限定免許」で運転できます!

「○トン車」は業界用語?


よく耳にする「4トン車」とか「4トントラック」っていう表現。一体どういう意味なのでしょうか。

実は「4トン車」の大きさはこのくらいです!なんてものは何も決まっていません。

法律に出てくる言葉でも何でもなく、かなりざっくりとしたトラックの大きさを示す「業界用語」。

今回は「4トン車」とはいったい何なのかについて解説しようと思います。

4トン車とは

昭和の大型トラックとトレーラー モノクロ写真でよみがえる [ 静遥 ]

「4トン車」の「4トン」とは何を表しているのかというと、そのトラックが積むことができるだいだいの荷物の重さ「積載量」を示しています。

トラックの後ろに「最大積載量何キロ」というようなステッカーが貼ってありますね。このトラックにはこの重さまでの荷物を積むことができますよということです。

この数字がだいたい4000キロくらいになるであろうトラックのことを「4トン車」と呼んでいるようです。


ただトラックの積載量ってそんな簡単に決まるものではありません。

トラックにはいろいろな種類の荷物を運んだり作業するという大切な使命がありますし、それを達成するため「最適化された姿」にカスタムされているからです。

例えば、冷凍食品を運ぶトラックには、保冷コンテナと冷却設備が必要です。魚を生きたまま運ぶトラックには水槽が必要です。

重い荷物を積み降ろしするトラックにはユニック(搭載型トラッククレーン)がついています。トラックはその使用目的によってほとんどがオーダーメイドされているのです。

大きさも形もバラバラ!4トン車の種類

ベースとなるトラックがあります。運転席と骨組み(シャーシ)だけの状態ですね。この記事では「トラックベース」と勝手に呼びます。
この「トラックベース」にもいくつか種類があり、2トンの積載を確保するトラックはこのくらいのトラックベース、4トンの積載を確保するトラックベースはこのくらいというのがだいたい決まっています。

このトラックベースに用途に応じた荷台を載せましょう。重さの数字は適当です。

4トントラック用の「トラックベース」に重さ1000キロの平ボディの荷台を載せれば、最大積載量3000キロのスタンダードなトラックになります。

「重たい鉄の塊を運ぶ」トラックは、4トントラック用の「トラックベース」に1000キロだけど頑丈で小さい荷台を載せ、同じ最大積載量3000キロでも大きさは小さくなります。

軽いけど容積が大きい発砲スチロールを運ぶトラックは、4トントラック用の「トラックベース」に1000キロの軽く大きなコンテナを載せ、同じ最大積載量3000キロでもやたら大きなトラックになります。

4トントラック用の「トラックベース」に1500キロの冷凍機能のついたコンテナを載せれば、最大積載量2500キロの冷凍トラックになります。


同じような「トラックベース」でも、いろいろな大きさや形のトラックができあがるのです。

この「だいたい4トンの荷物を積むことができる大きさと頑丈さがあるトラックベースで造られたトラック」のことを4トン車と呼んでいます。

そして車両の重さと積める荷物の重さの合計「車両総重量」は8000キロくらいになっていることが多いです。


4トン車を運転するために必要な運転免許

4トントラックの大体の大きさを見ると、車両総重量が8000キロくらい、最大積載量が4000キロくらいになります。

これを道路交通法で決められている自動車の種類に当てはめてみると中型自動車となります。

ということなので、4トントラックを運転するには中型免許が必要です。


中型免許はちょっと特殊な免許で、ある程度の運転経験がないと取得することができません。

現に普通免許か準中型免許(大型特殊免許)をもっていて、この免許を受けていた期間が通算して2年以上無いと取得することができません。いきなり教習所に行ってもダメ。まずは2年以上の運転経験を積まないとならないのです。ということは年齢も20歳以上ということになりますね。


外見だけで強引に「中型トラック」を見抜く方法

「中型車は中型車8tに限る」は4トン車を運転できる?

教習所に行って中型免許をとらなくてもこの4トン車を運転することができる方もいます。それは平成19年6月1日以前に普通免許を取得していた方です。

昔はこの方たちが持っていた普通免許で、4トントラックを運転することができました。法律が変わって中型免許が新設されたので、昔の普通免許が中型8t限定免許に変わったのです。

この「中型車は中型車(8t)に限る」の意味は、車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満・乗車定員10人以下ということです。

一般的に言われる4トン車がこれに該当するので、以前の普通免許で取得した方は教習所に行って中型免許をとらなくても4トン車を運転できるのです(車検証で要確認!)。

平成19年6月より前に普通免許を持っていた方って世の中にかなりいますよね。

4トントラックを運転できる方は世の中に大勢いるということになりそうです。

求人票を見て「俺普通免許しかとったことないから無理だな・・」と思った方でも、自分の運転免許をよく見てみれば4トントラックを運転することができるかもしれないのです。


規格を超えた自動車を運転すると無免許運転となってしまいます。4トン車という言い方はかなりザックリなので、車検証で確認してから運転するようにしてください。