トラックのサイドマーカーランプ。
たいていは黄色・緑ですが、青などカラフルな色のトラックもありますよね。
あまりにも眩しいものは迷惑ですが、適切なものなら「夜間車の存在を示す」安全効果がきっとあります。
このサイドマーカーランプ、派手な色でも「車検」は通るのでしょうか。
また、もし一か所でも点灯しなくなったら「違反」となるのでしょうか。
側方灯の基準
「側方灯」とは、保安基準第 35 条の2に規定された灯火器で、側方から見たときに自動車の存在を示すために備えるものをいいます。
「側方灯」については細かい規定があるのですが、ざっくりまとめます。
装着義務があるのは長さ6mを超えるトラック。
夜間側方 150mの距離から点灯を確認でき、照射光線は他の交通を妨げないものである必要があります。
装着する場所はつぎのとおり
地上0.25m以上1.5m以下
最前部の側方灯は車両前端から3m以内、
隣接するものの距離は3m以内、
最後部の側方灯は車両後端から1m以内
メチャメチャ細かいですね。
そして気になる色は「橙(とう)色であること。
一般的にオレンジ色とよばれているものですね。
ということは青とか緑はダメ。ついでに黄色もダメ。
基準を満たさなければ車検なんて通るはずはありません。
どのトラックも違法?ということなのでしょうか。
マーカーランプは側方灯ではない?
実はほとんどのサイドマーカーランプは「側方灯」ではありません。
正しい言い方をすると「側方灯として使われることはほとんどありません。」です。
「じゃあ俺のトラック側方灯ついてないじゃん」って思うあなた、安心してください。
保安基準の側方灯はこれです。
夜間側方 150mの距離から点灯を確認できる「橙(とう)色」のものですね。
保安基準には「側方灯又は側方反射器を備えなければならない」と記載されており、側方反射器(リフレクター)を設置すればOKです。
トラックの側面には何か所か反射器がついています。
車体の下に並んでいるタイプやサイドバンパー(サイドガード)を利用しているものもありますが、これが保安基準を満たすようにつけられているんです。
これにはメリットがあります。
マーカーランプを側方灯として使うと、走行中に点灯しなくなった場合違反となります。
ウインカーが切れたのと同じようなものですね。
そのため保安基準は反射器でクリアし、それとは別にサイドマーカーランプを取り付けているということです。
スモールライトスイッチをONにすると連動して車幅灯や尾灯が点灯しますが、サイドマーカーランプは独自のスイッチがあり消すこともできますよね。
もし独自のスイッチがついていない場合、サイドマーカーランプが側方灯となっている可能性がありますので、そのときは注意が必要です(そんなことはほぼありませんが)。
ちなみにマーカーランプを「側方灯」として使用する場合、ECE部品認証取得品である必要があります。
ほとんどのマーカーランプはこれに該当しません。
その他の灯火とは
一般的に言うサイドマーカーランプは、装飾用として使われています。
側方灯ではないので、保安基準の対象に該当しないことになります。
ですので「橙(とう)色」でなくても大丈夫。
万が一点灯しなくなっても直ちに保安基準を満たさなくなるということはありません。
といっても夜間の運転に必要なモノ。
しっかり点灯することによってトラックの存在を他車に示しています。
ではサイドマーカーランプは一体何に分類されるのでしょうか。
それは「その他の灯火」です。
その他の灯火は設置する義務はありません。
そして好き勝手にして良いかというわけではなく、こちらも基準があります。
大まかにまとめます。
明るさは300カンデラ以下。
調光・点滅はダメです。
次に色です。
その他の灯火として取付不可能な灯火の色
赤 | オレンジ | 白 | 青紫 | 黄緑 | |
前 | × | ||||
後 | × | × | × | ||
前面ガラス上 | × | × |
2 自動車には、次に掲げる灯火を除き、後方を照射し若しくは後方に表示する灯光の色が橙色である灯火で照明部の上縁が地上 2.5m 以下のもの又は灯光の色が赤色である灯火を備えてはならない。
4 自動車(一般乗合旅客自動車運送事業用自動車を除く。)の前面ガラスの上方には、灯光の色が青紫色である灯火を備えてはならない。
5 自動車の前面ガラスの上方には、速度表示装置の速度表示灯と紛らわしい灯火を備えてはならない。
白は進行方向、赤は後方へ光らせるものです。(バックランプのみ白です。)
そのため「白」と「赤」はダメです。
ちなみに前面ガラス上は昔あった速度表示のランプ識別のためです。
これをみるとその他の灯火として側面にマーカーランプを設置する際、禁止となるのは後方を示す赤・進行方向を示す白以外でしたらOKとなりそうです。
まとめ
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サイドマーカーランプは青や緑にすることができます。これはその他の灯火として利用する場合です。
側方灯として使用する場合は「橙(とう)色」のみ使うことができます。この場合、一か所でも点灯しなくなると保安基準を満たさなくなります。
また後部に備える側方灯等で尾灯、後部上側端灯、後部霧灯、制動灯または後部反射器と構造上一体となっているもの又は兼用のものにあっては、赤色であってよいとされています。
ですが実際には車検を通す地域などによって判断が異なるようです。
そのために次のことを確認してください。
1 サイドマーカーランプはその他の灯火として申請されているか
2 明るさ、点灯状態がその他の灯火の基準をクリアしているか
3 その他の灯火として側方に設置できる色であるか
特に3については現場での見解の影響が大きいかもしれません。
「橙(とう)色」の反射器が規定のとおり設置されているのに、装飾用のサイドマーカーランプが「橙(とう)色じゃないからダメ」というのはおかしな話。
もしダメなのは、他車の迷惑となる恐れのある色や明るさに原因があるのかもしれません。
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