圏央道はなぜ?いつも混んでいるのか

「どうせまた渋滞でしょ」「乗る前に覚悟はできている」。

いつも通る人にとって、もはや、交通情報など、見る気にもならない圏央道。

「10キロくらいの渋滞」が「何か所」も発生するのは、日常、当たり前の出来事となっています。

電光掲示板で直近の渋滞情報を表示してくれるのですが、そこをクリアしたと思ったら、また次の渋滞情報。

「もう、細かい話はいらないから、八王子ジャンクションまで、何分かかるのかだけ教えてくれ」って思っている人、きっと多いと思います。

また、掲示板に出てくる地名も、いつも同じところばかり。

久喜白岡、鶴ヶ島、狭山、八王子、海老名など。おかげさまで、主要地点も自然と覚えられちゃいますね。

渋滞ゼロの圏央道を想像することはできず、もはや「通行止にならないだけマシ」という謙虚な気持ちが、湧き上がってきます。

なぜ圏央道はこんなに混むのでしょうか。そして、私たちドライバーに、できることはあるのでしょうか。

「圏央道とは」簡単に説明

圏央道は、正式名称「首都圏中央連絡自動車道(しゅとけんちゅうおうれんらくじどうしゃどう)」。

東京の外側をぐるっと囲む環状道路です。

首都高速が東京の中心の「ミニ円」だとしたら、外環はその外側の「中くらいの円」。

そして圏央道は、さらに外側の「大きな円」という感じです。

  • 都心の交通集中を避けるため
  • 物流の効率化。
  • 災害時の広域移動ルートの確保

などを目的として、建設されました。

圏央道が渋滞する3つの理由

トラックが非常に多い

圏央道は、関東一円の物流動線として使われており、大型トラックの割合が全国でもトップクラスに多い高速道路です。

そして、朝・夕のピークが物流の動きと重なり、交通量が一気に跳ね上がります。

ここで発生した渋滞が解消せずに残り、慢性的な渋滞につながっていると言われています。

圏央道は、物中業界にやたら「人気」があります。

なんといっても都心を通らずに、「東名・中央道・関越道・東北道・常磐道を連絡できる」というのがメリット。

「狭い・わかりにくい・混む」のすべてがそろった首都高速を、使わずに済みます。

実は、当初、圏央道の通行料金は、ほかの高速道路と比べて高く設定されていました。

これは、ある程度料金を高くしないと“物流だけが過度に流れすぎる”ことを恐れた施策。

安すぎると混む。高すぎると利用が減る。

その中間を狙った「やや高い」と感じる料金になっていたのです。

(現在は、圏央道とその内側で料金水準を統一する方針により、2016年(平成28年)4月1日、高速自動車国道大都市近郊区間と同じ料金水準 (距離【km】×距離単価【29.52円/km】+利用1回あたりの固定額【150円】)に変更された 。)

ところが、この料金設定であっても、圏央道を通行するトラックはどんどん増えていきました。

料金が高くても、都心を通らなくて済むことのほうが、ドライバーさんにとって、良いことだったのです。

ドライバーさんがストレスを感じる道路では、事故のリスクが増えます。

運送会社としても、良い選択だったのでしょう。

ただし、これは圏央道が良いということではなく、首都高速を走るよりはマシという話です。

近年では、物流拠点が圏央道沿いに急増。

「さらにトラックが集まる」ようになっています。

車線が少なく、路肩が狭い

圏央道は、基本片側2車線のつくりで、片側1車線の場所もあります。

これは交通量に比べて明らかに少なく、追い越しや速度調整が難しくなっています。

遅い車を追い越そうとする車が、追越車線を占有。少しでも流れが悪くなった場合、1台の減速が、そのまま渋滞に直結しやすい構造の道路です。

「首都圏の外環道路なのに2車線」というのは、交通量に対して根本的に不足しています。

また、信じられないくらいに路肩が狭いです。

車両故障やトラブルを避けるために路肩に停車しようとしても、スペースがないため、走行車線に一部の車両が残ったまま停車することがあります。

また、事故が発生した際も事故車両を移動させるスペースが限られるため、処理に時間がかかり、渋滞が長引きます。

さらに大型トラックのドライバーから見ると、狭い路肩に停まっている車はとても邪魔。

ギリギリ白い線の中に入っていても、その隣を減速せずに通過することはできません。

できれば、隣の車線に移りたいと、多くのトラックドライバーが思っていることでしょう。

圏央道は、故障車が一台いるだけで、実質一車線になってしまうような構造。

タイヤバーストで停止とか、燃料切れで動かなくなってしまった場合、ほかの高速道路では救助を待てば良いですが、圏央道では、その車を移動させない限り、ずっと渋滞が伸びていくことになります。

車のトラブルはある程度しょうがないことでもありますが、できれば圏央道では起こってほしくないですね。

サグが多い

圏央道の特徴として「サグが多い」があります。

サグとは、道路の縦断形状が下り坂から平坦、または上り坂に変わる “谷” のような部分のこと。

ほとんどのドライバーが「坂だと気づかない」 のが特徴です。

サグでは、ドライバーが無意識の減速をすることがわかっており、実際圏央道では「ちょっとした減速」が連鎖した「自然渋滞」が非常に多く発生しています。

なぜ、サグで渋滞が起きるのかというと、下り坂から上り坂に差しかかったとき、車は自然と速度が落ち、アクセルを踏み足さないとスピードが維持できない状態になります。しかしドライバーは、上り坂に気づかないので速度低下が発生。これにより後続車がブレーキを踏むことに。ブレーキの波は先頭の1台の軽い減速から、その後ろの車の少し強めなブレーキに変化。さらに後ろではもっと強いブレーキになって、最終的には、完全に車が停止する渋滞に成長してしまいます。

この現象は、ほかの高速道路でも起こっているのですが、圏央道には、これが起こりやすい地点がとてもたくさんあります。

特に圏央道の西側、相模原愛川インターチェンジから鶴ヶ島ジャンクションの間を地形図で確認してみると、関東平野西部の丘陵地帯を抜けていくことが確認できます。

いくら橋とトンネルで通行しやすいようにしてあるといっても、実際は上りと下りが連続する坂道で、これが慢性的な渋滞を起こしている要因であるということが、よくわかります。

とくに有名なのは狭山パーキングエリアの南側。

入間川にかかる橋の付近は、なかなかの下り坂と上り坂となっており、ここでの減速をきっかけに渋滞が発生しています。

圏央道は“自然渋滞が起こりやすい条件”が揃っている道路なのです。

ドライバーはどうしたらよいか

圏央道がいつも渋滞する理由を3つ紹介しましたが、私たち一般ドライバーはどうしたらよいのでしょうか。

トラックが通れないようになっても困りますし、車線を広げろと言っても、いつ実現できるかわかりません。

ただ、サグでの渋滞は、何台かの車がちょっと工夫すれば、何とかなるかもしれません。

「誰でもできる!サグで渋滞を発生させない方法」というものがありますので、最後にそれを紹介します。

ちょっと早めにアクセルを足す

サグの手前は、ほぼ確実にスピードが落ちます。

だから 「下りから上りに変わる少し前」からアクセルを軽く踏み増すだけでOK。

自分の速度が落ちなければ、後ろの車も連鎖的に落ちず、渋滞が発生しにくくなります。

車間距離を“詰めない”

車間距離を詰めると、前の車の小さな速度低下を大きく踏みかえてしまい、波が後ろへ増幅します。

少し広めの車間が、渋滞波を止める一番の方法です。

ブレーキは「軽く・短く」

強めのブレーキは、後続車に「急減速の波」を伝えてしまいます。

できればアクセルOFFだけで調整できるなら、ブレーキを踏まないのがベスト。

サグ地点を“あらかじめ知っておく”

サグでの渋滞は決まった場所で起きやすいので、カーナビの渋滞情報や通いなれたルートで、場所を覚えると便利です。

また、渋滞吸収車という車がいます。

ネクスコの黄色い車が、ゆっくり走っているのを見かけることがありますね。

その場ではちょっと混雑しますが、全体的にみると渋滞の発生を抑えることができるそうです。

「時速何キロで走ると最も効果が大きいのか」ということも研究されており、時速 60キロから80キロの範囲で一定速度を保つと、渋滞波の発生を最大限抑制できるという結果が出ています。

速すぎると、車間が詰まり細かい加減速が増える。

遅すぎると交通容量が減ってダメ。というように、なかなか難しいようです。

この渋滞吸収車と同じような働きは、一般の車でもできます。

目先のことだけにとらわれず、うまいペースで走る車が増えれば、圏央道の渋滞は少しはマシになるかもしれません。

で、これって、トラックがやるとすごく良くないですか?アイポイントも高く、やりやすいと思うのですが。