最近の特徴として「きつくないトラックの仕事が増えている」ことがあります。
それは運送会社が人材確保のため労働条件を見直しているからです。
一方で「長時間」「低賃金」といったいわゆる「ブラック」な仕事が残っているのも事実です。
どうせ働くのなら給料・休日が多く働きやすいところが良いですね!
「きつくないトラックの仕事」に転職・就職するには、どのようにしたらよいのでしょうか。
私はトラックドライバー経験者です。
これまでの経験をもとに、後悔しないトラックドライバーへの転職のコツを考えてみます。
令和のトラックドライバーの給料・休日は?
まずは最近のトラックの仕事についてデータを見てみましょう。
給料
大型ドライバー | 463万1,900円 |
中型ドライバー | 430万6,300円 |
日本人の平均年収 | 443万円 |
大型ドライバーの平均年収は463万1,900円、中型ドライバーの平均年収は430万6,300円です。
労働時間
大型ドライバーの年間労働時間 | 2544時間 |
中型(小型)ドライバーの年間労働時間 | 2484時間 |
全産業の年間労働時間 | 2112時間 |
トラックドライバーの年間労働時間は全産業の労働時間より長いです。
休日
完全週休二日制を取り入れている事業所 | 20.5% |
運輸・郵便業の休日について、完全週休二日制を取り入れているのは20.5%。他は週休二日制、週休一日、または一日半制です。
「給料は普通、休日が少なく、労働時間が長い」という印象を持った方が多いのではないかと思います。
実際のドライバーの仕事内容は?
トラックドライバーに転職した方の感想をまとめています。
① 身体はキツイ?それとも楽?
時間が不規則なことが多いです。生活リズムが変化するので睡眠不足になりがち。変化に身体がついていかず体がキツいと感じることがあります。
フォークリフトを使ったパレット積み、カゴ車での荷物の積み込みは比較的楽です。大変なのは「手積み手降ろし」です。
② 仕事内容と給料のバランスは?
運送業界には一定の割合で「ブラック」と呼ばれる企業が存在します。走る距離、休日、勤務時間は同じなのに、事業所によって給料に大きな差が発生することも珍しくありません。
【嫌だと思うこと】
- 高速道路の使用制限がある(荷物を積んでいないと一般道を走行など)
- 時間と手間がかかる荷積み荷卸し(場所やフォークリフト待ちの時間が長い)
- 集荷・納品の制約(順番を後回しにされる)
【良いと思うこと】
最近になって、荷積み荷卸し環境が整ってきたと感じているドライバーは多いようです。以前のように順番どりや長い列に並ぶことは少なく、指定時間に到着すればスムーズに作業できる現場が増えています。
- 自主荷役が少なくなった
- 労働時間の制限があるため、積極的に高速道路を使える
- 給料は以前と変わらない
③ ふと寂しくなる・・環境は?
ドライバーの仕事は「ひとり」が基本。煩わしい人間関係に悩まされることは比較的少ないです。これをメリットと考える人もいますが、一方で「何だか寂しい」と感じることもあります。
- 悩みを相談できる人がいない
- ずっと一人は退屈
- 仕事でもプライベートでも信頼できる人がいなくなった
「よいタイミングで、話相手が欲しい」と感じているドライバーは多いようです。
一方、自分のペースで仕事を進めことができるので、比較的気がラクな部分があります。慣れた納品先で「当たり障りのない会話をするのがちょうど良い」と感じている人も。
また義務付けられている「休憩」も「上手な暇つぶし」を探して楽しんでいるようです。
運転中の会話にはイヤホンが必須ですね。寂しくなったら仲間との通話で元気を回復します。
④ 休日は?
最近、土日や祝日の運行をしない事業所が増えています。理由は「運ぶ荷物」が無いこと。
運送事業所の取引先となる企業が、土日休みを採用しているからです。企業が休みでは積むことも卸すこともできません。
ドライバーは休みが多くなって嬉しい反面、「運んで稼ぐ」仕事のためもっと給料をもらいたいと考えている人は不満を持つことがあります。
一方で、取引先企業が土日祝日も営業していれば、トラック事業所も仕事を行います。
2024年問題がクローズアップされ、大手運送会社の労働環境や待遇はかなり改善されています。
一方、中小企業はより割に合わない仕事を課されている現実があります。
トラック業界は会社によって「待遇が全然違う」
「実際のドライバーの仕事内容」を見て「あれっ?」と感じませんでしたか?
仕事のキツさや待遇についての感想がバラバラなのです。
ひとつはっきり言えることがあります。
それは
トラック業界は会社(事業所)によって待遇が全然違う!です。
(私が経験した)二社の比較です。
【A社】
4:00点呼。荷物は前日夕方に積んでおり、そのまま出発。高速道路を使って移動し近くのSAで休憩。指定時間9:00に合わせて入場。自主荷役はせず相手方フォークリフトによる荷降ろし。9:45分帰り荷(空箱)を積んでもらい出発。13:00会社着。13:30会社の隣の工場で空箱を納め同地で翌日の荷物を積む。15:00終業点呼。
このような勤務を週5回行い、給料は手取り38万円でした。
土日祝日は確実に休み。盆暮れ正月ゴールデンウイークは連休など公休だけでも120日以上ありました。(他に有給も事前申請すればとれました。)。
一方、別の会社の仕事内容です。
【B社】
11:00点呼。昼までに近くの食品メーカーで荷積み(少量)。その後目的に向けて出発。15:00頃荷降ろし完了し、一般道を通って次の積み地に向かう。しばらく待機し20:00くらいから荷積み開始。手積みにより完了が22:00。そこから高速道路を使って移動。0:00くらいから荷降ろしをはじめ3:00完了(手降ろし、番号を見て3つに分けるので時間がかかる)。会社に戻るのが4:00。帰宅してしばらく寝たら、11:00に出勤。
これを週5~6日繰り返します。給料は手取り23万円でした。基本的にシフト制で、土日祝日は関係なく正月も仕事はありました。
給料・休日・働きやすさが全然違いますね。
このようにトラック業界は事業所によって待遇は全然違うのです。
「きついトラックの仕事」と「きつくないトラックの仕事」を分ける要因とは?
きつくないトラックの仕事とは一体どのようなものでしょうか。
① 何を運ぶのか
まずは「何を運ぶ仕事か」です。
とてつもなく大きなものや重いものは人力では無理なので、積み降ろしにフォークリフトやクレーンを使います。ドライバーさんの仕事はその操作ですね(固縛は大変ですが。)。鋼材や機械、原料や液体などを運ぶ仕事が該当するでしょう。
小さな荷物を扱う仕事は、ドライバーさんによる手積み手降しが多くなります。小さいと言っても軽いわけではありませんし、何度も積み降ろしすれば疲れます。体を動かすのが苦手な方は向いていないかもしれません。
企業向け、例えば工場などに納品するトラックの仕事は休みが多いです。工場の休みと同じになるので、盆暮れ正月ゴールデンウイークも連休ですね。
コンビニ向けなど、常に納品先が営業しているところのトラックの仕事は土日祝も関係ないことが多いです。仕事が年中あるということですね。
② 何次受けか
所属する運送会社によってもトラックドライバーの仕事内容は変わります。
例えば大きな工場の隣にあり、そこからの注文を一手に引き受けている運送会社(一次受け)。この工場の仕事がほどんどなので、休日も同じように取得します。
- 積み地が近いので移動時間が短く、長時間労働になりにくいです。
- 同じ製品ばかり運ぶので、積み降ろし方法を覚えてしまえば作業は大変ではありません。ただし固縛のしかたなどマニュアル化されていることが多いのでこれを守る必要があります。
- トラックに工場(企業)の名前が入っていることが多いです。このためカスタムなどはほぼできません。
- 自社便が動かなくても収益があるので、給料は比較的良いことが多いです。
- 悪いイメージを嫌います。そのため速度や休憩時間など徹底的に管理されます。「あと少し走れば帰れる」なんて場合でも15時間を越えそうなときは、無理やりPAで9時間以上の休息(休み)をとらなければならないことがあります。
- 社員教育などの場にも出席する必要があり、早く帰庫してもそのために帰れないこともあります。
- 2024年の残業時間規制などにもしっかり対応しますが、その分ルールに厳しいです。
別の運送会社からの仕事をする運送会社(二次受け、三次受けなど・・)。
- 一次受け運送会社などから仕事をもらいます。
- 仕事内容は一次受け運送会社と同じですが、運賃は低くなります(一次受けが一部とる)。そのため同じ仕事をこなしても給料はやや少なくなります。
- 一次受けの仕事を行うときはそのやり方に合わせるので、気を使います。荷降ろしの順番を変えられる!なんてこともあり、ストレスを感じてしまうかもしれません。
- いろいろな仕事をするので、積み降ろし方法や固縛テクが求められます。
- 速度や休憩時間など、比較的管理はユルイことが多いです。
- トラックのカスタムもできるでしょう。
- 自社で運送予定を立てづらいので、休日であっても急に仕事を依頼されることもあります。
- 一次受けでできない仕事を「押し付けられる」こともあります。
見た目は同じような仕事でも、内容はかなり違いますね。
「きつくないトラックの仕事」を自分で見つける方法
「ルールに縛られてもいいから給料と休みを多くほしい」という方は、工場などの仕事を引き受けている一次受け運送会社をねらうのが良いでしょう。
特徴として
大きな企業の近くにある、トラックに企業の名前が入っている(子会社となっていることもあります)、企業の休日にトラックが動いていない
などがあります。
「うるさいことを言われずに働きたい」方は、他の運送会社からの依頼を受けて仕事を行う二次受けなどの運送会社をねらうのが良いでしょう。
特徴として
名称が独自のもの(個人名が多い)、カスタム車両がある
などがあります。
「あの会社のトラックはいつも何を運んでいるのだろう・・」って見てみると、良い転職先がみつかるかもしれません。
ですが、個人の力でリサーチするのには多くの手間と時間がかかります。
転職を考えているあなたはいろいろと忙しいはず。
転職にはかなりのエネルギーを使いますからね。
ドライバーを目指す人に伝えたいこと
運送業界は人材不足と言われています。そのため、健康でやる気があれば多くの企業が歓迎してくれます。
一方で、求人数が多いことから選ぶのに苦労することもあります。
ですが、面倒になって「自宅から近いこの事業所で」と安易に決めてしまうのは危険です。
早く仕事をしたいから・・と自分を安売りするのは絶対ダメ。
情報収集には時間と手間をかけてください。
① ドライバーの仕事探しの「独りよがり」はやめて「プロに相談」
求人票を見てもブラックかどうかは私たちにはわかりません。
「日勤」と記載されていても、実際は深夜帯ギリギリだったなんてことも。
同じ事業所でも日勤とフルで働くパターンがあり、どちらに配属されるかは入社しないとわからないのが実際のところです。
そこで役に立つのが運送業に詳しいアドバイザーがいる転職エージェント。
ブラック企業は嫌だと思っていても自分で見抜ける自信が無いという方にはおススメです。
運送業界はいろいろな会社があります。
もしかすると詐欺まがいの求人で人を集めているような事業所もあるかもしれません。
異業種からの転職であれば情報に疎いのは仕方のないこと。
それだけに一人で転職活動するよりも、プロに相談することが大切なのです。
② 転職エージェントがやってくれること
転職エージェントがやってくれることはたくさんあります!
- 給料や休日など「実際の企業の内部情報」の収集
- 入社時期の調整や条件交渉
- 履歴書・職務経歴書などの書類作成
- その他、全般的な相談(ドライバー業界に詳しくない方やこれまでに転職経験が少ない方は、業界のノウハウを理解しないまま転職活動をしてしまうことがあります。そのようなとき、ふと感じた疑問を気軽に相談できる窓口がるというのは、転職活動において多きなメリットとなります。)
自分一人で考えていると「視野は狭くなる」もの。根拠のない理由で応募し、就職してそのまま働いてしまいます。その後、他社の労働環境を知って後悔することが多いのです。
必要なのは客観的に評価してくれる第三者からの意見。
ドライバーの仕事への転職に失敗しないために必要なことなのです。
【PR】頼れる!ドライバー転職エージェント
転職エージェントにはいろいろな種類がありますが、特に頼れるのが「ドライバー転職」を得意とするエージェント。
なんといっても業界の実情に詳しく、「このように働きたい」という求職者の希望に応じるスキルを持っているのです。
※何でもありの転職サイトの担当者の中には「ドライバーの仕事はどれも同じようなもの」と考えている人もいます。
ドライバーの仕事に強い転職エージェントを3つ紹介します。
① 運転ドットコム
約30年のドライバー事業実績を持つ企業が手掛ける転職サイト。これまでに10万人以上のドライバーが利用しています。企業の求人掲載も手掛けています。
② 日本ドライバー人材センター
タクシー・トラック・軽配送・ハイヤー・バスなど、あらゆるドライバーの仕事の求人が集まるサイト。全国20万以上の求人を扱っています。
③ ドライバーズワーク
トラックドライバーに特化した転職サービス。業界を熟知したアドバイザーによるキャリア相談、 面接設定、履歴書添削、入社後フォローを実施。東京・千葉・神奈川・埼玉の仕事に強い。
トラック専門アドバイザーが面接のセッティングから履歴書の添削、面接対策、入社後のフォローまで徹底したサポート
どこも応募から就職までの手順に大きな違いはありません。
- サイト登録(氏名・メールアドレスなどの登録)
- メールや電話での相談
- 相談結果に基づく求人情報の検索・紹介
- 履歴書作成などの面接準備
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嬉しいのはこれらの全てを担当者がサポートしてくれること。わからないことがあればすぐに相談することができます。
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