試験前に知っておくべき試験官が行う「3つの指示」
運転免許試験の雰囲気って嫌ですよね。
自分の動きを隣でジッとみられているあの感じ。
途中で逃げ出したくなる人もいるかもしれません。
しかもあの試験官の方々。
いかにもお堅い感じで笑顔なんてほとんど無し。
「次の信号を右」とか「50番のクランクに入って」なんて無機質な言葉だけが響く車内の重い空気、あれどうにかならないんですかね。
「今日はいい天気ですね」みたいな雑談も交えてくれたら緊張も解けて、逆に試験を受ける私たちも実力を出せるかもしれません。
ですが、あの試験官の方々も、好きであんなお堅い態度をとっているわけではないようなのです。
実は免許試験をしっかり行うために、試験官が言っていい事と悪いこと、さらに「言わなければならない事」が細かく決められているのです。
今回は「試験官が言わなければならない」ことの一部について紹介します。
それは事故防止、危険防止などのための助言で、試験中「このままでは危険ですよ。だから早く何とかしてください」と呼びかけなければならない場合ですね。
この言葉を言われたら試験はかなりマズイ状態であり、不合格の一歩手前にいると思ってください。
このとき受験者が「ああそうか」って気づいてすぐ修正すれば大丈夫。
小さな減点で済みます。
ですが「なんのことですか?」って意味が分からずほったらかしにしておくと、そのまま不合格まっしぐら。
怖いですね。
この試験官の助言は、受験者に交通違反をさせないための内容も含まれます。
また、試験課題をこなすための内容も入っています。
しかし人によっては「どこが交通違反なの?」「意味が分かりません」と思うことがあるのも事実。
運転免許試験の世界は独特なのです。
内容は決して難しくありません。これを知っておけば、もし免許試験中何か言われても慌てないで済みます。
また普通車でも大型車でも二輪車でも共通の内容です。
初めて免許をとる方だけでなく次の免許にチャレンジする方にもためになることだとおもいますので是非最後までご覧ください。
「位置が違います」
これは止まれの標識があるところや踏切など一時停止場所で停止した後に言われるもので、「停止位置が不適切」とか「ここじゃない」なんて表現もあるかもしれません。
受験者としては「ちゃんと止まったのに何言ってるんだ?」って感じですよね。
停止線や踏切敷の手前で停止しているので、どこが悪いのかわかりません。
このとき試験官が何を言っているのかというと「決められた停止場所からあまりにも離れた場所で停止しているよ」ってことです。
運転免許試験のルールでは、受験者が決められた停止位置から2m以上離れて停止したとき、そのことを伝えるようになっています。
この場合「この人は前方の車体感覚をちゃんとつかんでいないな」ということで少しだけ減点されるんですね。
で怖いのは、受験者が2m以上離れた位置から再停止せずに停止線などを超えようとすると「止まれを無視している」と判断され一発不合格となってしまうことです。
自分はちゃんと止まったのに止まれを無視したなんて後で言われたら、試験官を信じる気持ちなんてなくなってしまいますよね。
ではこんな時どうしたらいいか。
一時停止後、「位置が違います」と言われたらもう少しだけ前に出て再停止してください。
その後安全を確認して発進すれば何ともありません。
もちろん前に出すぎて停止線を超えてしまったらアウトですね。
大型車や中型車、二輪車の試験では車体前方の様子は確認しやすいのでこんなことは無いと思います。
しかし普通車では車体前方の感覚は人によってはかなりつかみづらいものがあるので、気を付けたほうがいいでしょう。
停止線から2mの位置というと実際にはかなり後ろで停止していることになります。
しかし車内から見るとそんな風には見えないんですね。
これは練習の時、実際に降りて確認するとよいと思います。
一つ言えるのは運転席に座った状態で停止線がばっちり見えているようでは確実に2m以上離れているということ。
意外と普通車の前方車体感覚ってつかみづらいんです。
ちなみに赤信号では何も言われませんが、離れて停止しているとそっと減点されています。
「すぐに発進して!」と急がされる
これはかなり受験者を焦らせる言葉ですね。
「ただちに発進」「行って!」「進んで!」「行けるよ!」など言い方は各免許センター、検定の場合は教習所ごとに違うかもしれません。
まあおそらく多少急がなければならない場面でのことなので、そんなのんびりした言い方はされないと思います。
これは「発進手間取り」という減点となるときに使われ、通常発進できる状態にあるにもかかわらずなかなか発進しないときに言われます。
例えば青信号になったのに気づかないでずっと停止しているとか、動作があまりにも遅すぎて車が全然動かないなんて場合です。
ギアがNになったまま発進しようとしているとか、MT車の場合エンストした後すぐにエンジンをかけないときも言われます。
まあ試験となると人間何をしてしまうかわかりませんからね。
ちなみに試験のはじまりのときには言われませんので、シートベルトやミラーの調節など落ち着いてやってください。
「すぐに発進してください」と言われただけでは減点はわずかです。
そのまま発進すれば大丈夫です。
ですが判断ミス、操作ミスなどでその後も車をうごかすことができなかった場合は「発進不能」という試験中止項目に該当し不合格となります。
例えば右折の矢印信号の見落とし。
赤信号だと思い込んで停止します。
そこでちょっとホットしています。
そんなとき試験官から「行けるよ!」なんて突然言われたらそりゃ慌てますよ。
「どういうこと?」って頭の中は真っ白。
改めて信号を見ると「右に曲がれるじゃん!」ってことに。
ここでスッと対応して右折できれば大したもの。
ビックリしてそのまま何もできず止まったままの人も多いでしょう。MT車の方はギアが3速あたりに入ったまま発進しようとしてエンストしてしまうかもしれません。
普通に後から考えれば右折矢印がある!って気づくでしょうが、緊張した車内、思い込みをしてしまう可能性はアリです。
とにかく言われたら緊急事態。試験官の言う通りすぐ発進するのがよさそうです。
「ギアをパーキングにしてハンドブレーキを引いてエンジンを切って」
最期は危険でも何でもない事なのですが、試験の終わりの場面でいわれると嫌な言葉です。
それはゴールについてしばらくして、試験官から「ギアをどこにいれて」とか「スイッチ(エンジン)を切って」など細かく指示されること。
これはいったい何がダメなのかというと、駐車の措置を自分でしないじゃん!ということなんです。
運転免許試験の範囲は乗車してから降りるまで。
ということは降りる前には車を駐車させなければなりません。
だからハンドブレーキをかけないとマイナス5点、ギアを正しい位置に入れないとこれもマイナス5点といった具合に減点されていくんですね。
これについては最後は車を駐車状態にすることと事前に説明があると思います。
つまり受験者の意思で駐車の措置を行ってくれということです。
ただこのことを把握しておかないで「ここで止めちゃっていいのかな」なんてもじもじしていると「この人は駐車措置ができないのかな」なんて変な判断をされることがあるのです。
もちろん心ある試験官なら「ここで止めちゃっていいよ」なんて気を利かせた声をかけてくれるでしょう。
しかし基本は受験者が自分で行う行為。
事前の説明でいわれたとおりどんどん駐車措置を行いましょう。
「ではここで駐車の措置を行ってください」と言われることはきっとありません。
こう見ると事故防止とか交通法令順守ということもそうですが、「なんのこと?」「意味不明」から起こる誤解もありそうですね。
だから事前に知っておいた方がいいです。