
深視力試験に落ちたら、免許更新はどうなるのでしょうか。
「もう仕事ができないのでは・・」と不安になる人も多いでしょう。
結論から言うと、深視力試験に合格できない場合、大型免許や中型免許などの更新はできません。
しかし安心してください。
状況によっては、運転を続ける方法が残されているケースもあります。
この記事では
- 運転を続ける方法
- 中型8トン限定免許の仕組み
- 深視力試験に合格するコツ
を、わかりやすく解説します。
結論:深視力に合格できないと免許更新はできない
まず結論から説明します。
深視力試験に合格できない場合、大型免許・中型免許・準中型免許・けん引免許・二種免許は更新できません。
これは道路交通法で定められた条件のため、例外はありません。
でも、落ち着いて。
この危機において、どうにかする方法を、できるだけ簡単にお伝えします。
次の方法で運転を続けられる可能性があります。
まずは自分の免許証を確認しながら見ていきましょう。
深視力試験とは?なぜ必要なのか

深視力試験とは、物体との距離を立体的に判断する能力(奥行知覚)を測る検査です。
大型トラックやバスは車体が非常に大きいため、わずかな距離判断のミスが事故につながる可能性があります。
そのため
- 大型免許
- 中型免許
- 準中型免許
- けん引免許
- 二種免許
では、免許更新時に深視力検査が行われます。
深視力試験の内容

多くの運転免許センターでは、三桿(さんかん)試験と呼ばれる装置を使います。
検査の仕組みは次の通りです。
- 三本の棒が並んでいる
- 真ん中の棒が前後に動く
- 三本が一直線になった瞬間にボタンを押す
3回の誤差の平均が2cm以内であれば合格です。
深視力試験に落ちたときの対処法
どうしても深視力が通らないとき、「もう俺は運転できないのか・・。」なんて思ってしまいがちですが、全ての免許を「ナシ」にする必要はありません。
「免許の一部取り消し」という「やりかた」があります。
免許の一部取り消しとは

免許の一部取り消しとは、持っている免許のうち上位免許だけを返納して下位免許を残す制度です。
例えば、大型免許を持っている人の場合、下位免許は次のようになります。
理由はなんでも良いのですが、大型免許を返納して、この中から「今後も運転を続けたい種類の免許を残す」ということができます。
深視力不合格の場合は普通免許になる

ただし注意点があります。
準中型免許以上では深視力試験が必要です。
そのため深視力不合格による一部取り消しでは、基本的に普通免許以下になります。
このとき交付される普通免許は現行制度の普通免許です。
現行普通免許で運転できるのは
- 普通乗用車
- 軽自動車
などです。
つまり
2トントラックや4トントラックは運転できません。
お仕事で車を使おうと考えている方、十分ご承知おきください。
普通免許で運転できる自動車
車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満・乗車定員10人以下の自動車
トラックに乗り続けたい人の方法
ところで、「そんなことじゃ困るんだよ!」という人も、いると思います。
それは「小さくてもいいから今後もトラックを運転したい」という場合。
- 大型トラックはあきらめても、4トントラックで仕事をしたい
- 畑をやるのに2トン車は乗れないと困る というような人です。
もともと深視力試験が必要なのは、トラック・バス・タクシーなどを運転するための免許。
メチャメチャ運転経験のあるドライバーさんであれば、長年培ってきたテクニックを、今後も役立てたいと思うでしょう。
そんな方におススメなのが「限定免許」の活用。
これは、以前取得していた免許の「既得権」を生かす方法です。
といっても、できる人とできない人がいるので、まずはご自身の免許証を見てください。
中型8トン限定免許とは

あなたの免許証の条件欄に「中型車は中型車8トンに限る」って書いてありますか?
これは、「昔むかしの普通免許を今でも持っているよ」という意味です。
この条件がある人は、あまり悩まなくてもいいです。
なぜなら、深視力試験に合格できなくても4トントラックを運転することができるからです。
中型8トン限定免許とは、昔の普通免許の名残です。
現在は4トントラックを運転するためには中型免許が必要ですが、以前は違いました。
昔の普通免許では車両総重量8トン未満つまり4トントラックを運転することができました。
2007年の道路交通法改正

ずっと昔は、普通免許と大型免許の二種類しかありませんでした(二種・二輪、他の特殊免許を除いた話です。)。
そして、当時の普通免許では、車両総重量8000キロ未満の自動車、いわゆる4トントラックを運転することができたのです。
ところが2007年、道路交通法の改正によって中型免許が新設されます。
4トントラックは中型免許が無ければ運転できない自動車となり、現在のドライバー不足の一因となったと考えられています。
既得権として残された8トン限定
このとき、普通免許で4トントラックを運転していた人たちはどうなったのか。
「法律が変わったので、明日からは運転できなくなります」では困りますよね。
そこで、もとの普通免許の名前を「中型8トン限定免許」とし、これまでどおり4トントラックを運転できるようにしたのです。
8トン限定免許の特徴
中型8トン限定免許は昔むかしの普通免許。
だから、視力試験基準は片眼03以上、両眼0.7以上。もちろん深視力試験はありません。
つまり、「中型8トン限定免許」を持っている人は、普通車の視力基準のまま、ずっと4トントラックを運転することができるのです。
中型8t限定免許で運転できる自動車
車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・乗車定員10人以下の自動車
大型免許から8トン限定に戻す方法

もし、あなたの免許証の種類欄に、大型・中型。そして、条件欄に「中型車は中型車8トンに限る」という記載があったらスゴイです。
この場合、大型免許の下位免許は、中型免許・準中型免許・普通免許・小型特殊免許・原付免許だけでなく、
中型8トン限定免許も含まれます。
「免許の一部取り消し」で大型免許を返納し、「中型8トン限定免許」の交付を申請することで、深視力試験のない普通車と同じ視力基準で、4トントラックを運転できるのです。
この方法が使える人
これができるのは、中型免許が新設された2007年以前に普通免許と大型免許の両方を持っていた人。
当時、18歳で普通免許を取得後、20歳で大型免許を取得した(2年の運転経験が必要だった。政令大型は3
年。) 、現在の年齢で40歳以上の人でしょう。
ただしすべての人が該当するのではなく、その後の免許取得状況などによって変わります。
実は「限定免許」が無くなるケースもあります。
8トン限定が消えてしまうケース

2007年以前に普通免許を持っていたとしても・・
中型免許新設後に、大型などの上位免許を取得すると「中型車は中型車8トンに限る」の限定は無くなってしまいます。
その結果
- 深視力試験が必要になる
- 更新のハードルが上がる
ことがあります。
「新しい法律になってから免許を取るので、それに従います」ということですね。

これについては知らない人も多く、「趣味で大型免許をとったけど大損!」「深視力で更新のハードルが上がっただけ」「視力低下で、現行普通車に事実上の格下げ」なんて悲しい声も。
当時の警察や自動車学校が、もう少しPRしてくれたらよかったのに・・。
また、免許証の条件欄に「準中型車は準中型車5トンに限る」という記載のある方は、ひとつ前の普通免許の持ち主で、深視力ナシで2トン車を運転することができます。
「中型車は中型車8トンに限る」の条件のない人、消えてしまった人が深視力試験に合格できなかったとき、どうすればよいのか。
残念ながら、現行の普通免許にするしかありません。
ということは、絶対に深視力試験に合格しなければなりません。
深視力試験に落ちる原因

深視力試験に落ちる原因には次のようなものがあります。
- 視力低下
- 左右の視力差
- 立体視の低下
深視力試験に合格できない理由として、本当に視力が低下している場合や、左右の目の視力差が生じていることが挙げられます。
この場合、眼鏡屋さんなどで相談することが必要ですが、それでもどうにもならない場合、運転を続けるのは危険かもしれません。
深視力試験について「無意味」「実際の運転と違う」などとする意見もありますが、2.5メートル先の奥行知覚というのは、ちょうど左ミラーが立体障害物に接触するかどうかの判断に必要な能力。
このあたりの距離感が全くつかめない人が巨大な自動車を運転するのは、ちょっと怖い気がしますね。
この場合は
- 眼科
- 眼鏡店
で相談することが大切です。
目が良くても落ちる人がいる

一方で、適切な深視力を持っているのに、試験になると「できない」という人もいます。
これは、本人が「棒が動くイメージ」を理解していないことが一番の原因です。
私は深視力試験の現場に何度も立ち会ったことがありますが、目が良くても深視力試験に合格できない人が一定数います。
絶対に棒は「くっきり」見えているはずなのに、とんでもなく手前や奥でボタンを押してしまうのです。
その原因の多くは検査の仕組みを理解していないことです。
深視力試験に合格するコツ

深視力試験では、中央の棒が前後にゆっくり動いています。
しかし、この動きを理解していないと
- 手前すぎる
- 奥すぎる
タイミングでボタンを押してしまいます。
おすすめなのは検査器の内部を見せてもらうことです。
棒が行ったり来たりする様子をしばらく眺めてもらうと、「ああ、こういうことね」ってスッと理解できるのです。
続けて検査をしてみると、これまでとは大違い。
ぴったりとは言いませんが、とんでもなく奥や手前の「大ハズレ」はなくなり、誤差の範囲に収まるように。
本人に聞いてみると、
- 棒がこんなにゆっくり動いているとは思わなかった
- 意外と長い距離を往復しているんだね といった感想が。
「棒が動くイメージ」をつかめるようになると、誤差が大きかった人でも合格ラインに近づくことが多いのです。
PR:深視力検査「棒が動くイメージ」を身につける方法

検査器の中を見せてもらうのがイチバン!といいましたが、実際に警察署や自動車教習所に行くのは面倒。
頼みづらい・・ってこともあります。
そんなあなたにぴったりなのが「深視力トレーニング」動画。
検査をよく知る指導員が作成しました!

スマホにダウンロードすれば、いつでも深視力トレーニングができます。
実際の検査器映像を使用した映像を見ることで「棒が動くイメージ」が頭の中に入ります。


ニーズに合わせたラインナップがあります。
まとめ
深視力試験に合格できない場合、大型免許や中型免許などの更新はできません。
しかし
- 免許の一部取り消し
- 中型8トン限定免許
- 準中型5トン限定免許 などを利用することで、運転を続けられる可能性があります。
特に「中型車は中型車8トンに限る」という条件が免許証にある人は、深視力試験なしで4トントラックを運転できる可能性があります。
まずは自分の免許証を確認し、状況に合った対応を考えることが大切です。
FAQ
深視力試験は何回まで受けられますか?
免許更新時の深視力試験は、通常複数回チャレンジできます。「目を休めてから」「別室で」などと案内される場合もあります。現状、必ず1回で合格しなければならないのではありません。
深視力試験は眼鏡でも合格できますか?
はい。眼鏡やコンタクトレンズを使用して視力基準を満たしていれば受験可能です。
深視力試験は練習できますか?
自動車学校や眼鏡店などで、深視力検査器を使った練習ができる場合があります。

