運転免許更新の視力試験。毎回「不安」に感じる人も多いですよね。
そんな気持ちがスッと軽くなる、「5つのギモン」を解説します。
合格できないとどうなる?

視力試験に合格できないと、免許更新はできません。
自動車などの運転には、視力のほか、聴力や体の動きなど、一定の能力が必要とされています。
その基準を満たすかどうかを判定するのが、適性試験です。
視力が足りないと、一定の能力に達していないと判断されます。つまり、「これでは運転できませんね」となってしまうわけです。

ちなみに、視力検査をやりながら、検査担当者と「やりとり」をすると思いますが、あれは、聴力や体の動きを見る試験を兼ねています。
「そこに座ってくださいね」で、しっかり座ることができるか、音が聞こえているかをチェックしているのです。
といっても日常会話ができる聴力があり、ゆっくりでも椅子に腰かけることができればよいので、特に意識する必要はありません。
視力が通らず適性試験不合格となった場合、その場での免許更新はあきらめて、出直すようになります。
眼鏡を作ったり、体調を整えたりして、再度。適性試験に合格すれば、免許は更新されます。
重要なのは、運転免許の有効期間。
誕生日の1か月後までとされていますが、これを過ぎると免許は失効し、通常の更新手続きは行えなくなります。
免許更新ができる期間は、誕生日の1か月前から1か月後までの2か月間です。

都道府県によっては、免許更新が予約制になっている場合があります。
更新期間ギリギリになると、チャレンジできる期会が減りますので、視力に不安がある方は、早めに手続きをはじめることが大切です。

できれば更新期間が始まったらすぐに申し込みをし、誕生日までに更新できると安心です。
免許更新を知らせるハガキが届いたら、すぐに予約をするようにしてください。
念のために眼鏡を持って行っても大丈夫?

普段の生活では眼鏡は使っていない。
そして免許証にも、眼鏡等(がんきょうとう)の、条件は付いていない。
でも、最近は遠くの標識が見えにくくなってきたから、眼鏡を使っている。という人がいます。
視力試験で見えなかったら困るので、念のため、眼鏡を持っていこうと思うのですが、これは大丈夫でしょうか。

答えは、大丈夫です!
ただし、視力を測るとき、まずは裸眼(らがん)で試してみてください。
検査担当者が、「眼鏡やコンタクトレンズをしていますか?」と聞いてきますが、「普段は使っていないが、念のために持ってきた」と話せば、通じると思います。
そして、裸眼で合格となれば、なにも問題は起こりません。
合格とならなかった場合、眼鏡を使ってもう一度測りますが、この場合運転免許の条件欄に、眼鏡等がつきます。この場合、条件がつきます。

この条件、人によってはかなり面倒に感じます。
眼鏡がないと生活できないという方は別ですが、運転の時だけ眼鏡が必要な場合、持ち物が一つ増え、忘れた場合、運転できなくなくなります。
さらに、高齢者で白内障の手術を受けた人。
すっきり見えるようになって、眼鏡なしでも運転できるようになるのですが、免許に条件がついている場合、眼鏡をかけないと違反になります。
なので、できれば条件が付けないように頑張ってください。
条件が付いている方でも、更新のときに、眼鏡を使わず合格できれば、条件を外すことができます。
免許センターや警察署の視力試験の印象は、「思ったより良く見える」です。
それは、基準の視力をクリアできれば良く、1.0とか1.5のレベルまでやらないからです。
決められた視力の基準を、満たせばよいからです。
一度でも間違えたらダメ?

視力試験は、見えるか、それとも見えないか、の世界なので、一回でも間違とダメなのでは・・と思うのですが、それはどうなのでしょうか。
答えは、多少、間違っても大丈夫です。

これは、警察庁が出した資料に載っています。
このほかに、実施要領もあり、それによると「片眼、および、両眼の検査、5回のうち3回以上の正当」が合格の基準となっています。
つまり、一回や二回間違っても大丈夫。全問正解する必要はないということです。
また時間制限もないので、慌てて答えなくても良いです。
また視力というのはその日の体調によっても変わるもの。疲れがたまっていたり、寝不足の状態で受けるのはおすすめできません。
心配な方は、前日は目をゆっくり休めてください。
深視力検査も?

大型免許や二種免許を持つ方は、別に深視力試験も受けなければなりません。
これは苦手な方な多いようで、視力試験「最大の課題」と言えるでしょう。
深視力検査は、視力が良いだけではできません。検査の仕組みがわかっていないために。苦労している人も多いです。
マウス運転研究室ではトレーニング動画を用意していますので、気になる方は検索してください。
さて、深視力検査もできなかったら、すぐに不合格かというと、そういうわけではありません。

検査の流れは、このような感じです。
はじめは、棒の動きが速い状態で始めることが多いです。
これは、試験時間の短縮のためにそうしているのでしょう。この状態で合格できれば、最高ですね。
棒の動きが速い状態で検査して、できなかった場合、検査担当者は、棒の動きをゆっくりにします。
こちらの方がわかりやすいようで、できる人が多くなります。このあたりで合格したいですね。
それでもできない場合、別室に連れていかれ、実際に棒が動く「アナログの深視力検査器」でやります。さらにこちらの方がわかりやすいようで、たいていこの検査器で合格となるようです。

このように、深視力検査も、一度間違ったら不合格というわけではありません。
検査担当者も、できるだけ良い状態を作って、合格できるようにしてくれているようです。
ありがたいですね。
ですが、検査器によって、結果が変わるというのは、おかしな話でもあります。
また、会場によっては、アナログ式の検査器がないこともあります。
しかしこれはダメなことではなく、複数の正常な検査器が置かれていればよく、別室に連れて行ってくれないから対応が悪いということにはなりませんので、ご承知ください。
大事なのは、深視力検査も単に厳しいものではなく、合格に協力してくれる様子があるということです。
何度も受けるとお金がかかる?

視力でも深視力でも、少し間違えても不合格にはならない。後日、また受けることができると紹介しましたが、気になるのは料金。

何度も視力試験を受けると、お金は余計にかかるのでしょうか。
免許更新には、数千円の料金がかかります。
更新のお知らせのハガキによると、内訳は、講習手数料と更新手数料となっています。
交通安全の話や映像を見たり、免許証を作成するのに必要な料金ということです。
さて、視力試験の料金はどうなっているのかということですが、誤解を恐れずに言えば、この料金には含まれていません。つまり、無料です。

免許更新の手順は、どの会場もたいてい同じ流れです。
これを見ると、はじめに適性試験をやっているのがわかります。
視力試験に合格した後に、手数料を払うようになっています。
これは、運転に必要な能力を持つ者だけが、免許更新をすることができるからで、視力試験に合格できない場合は、その後の手続きが一切できないようになっているのです。
ということで、視力試験に合格できなくてもお金はかかりません。
料金に関する負担は小さいと言えますので、その分を眼鏡やコンタクトレンズなどに充てて、合格できるようにしてください。
免許更新ができなかったらどうなるのか?

さて、ここまでに免許更新の視力試験に関する疑問を紹介してきましたが、一番気になるのは、免許更新ができなかった場合、どうなるのかということ。
いろいろ試したけれど視力試験に合格できず、免許証の有効期間が過ぎてしまった場合です。
これは一気に全てを失うか、それとも復活できるかの大きな分岐点になりますので、よく聞いてください。
まず、大事なのは、有効期間の過ぎた免許証は使えないこと。

「失効」なので、運転すると無免許運転になります。
無免許運転で、捕まった場合の結果は最悪です。
失効で済んでいた免許は取消となり、最低2年の欠格期間が発生します。
つまり、運転免許の全てが失われ、2年後に取り直さなければならないのです。
免許の有効期間が過ぎたら、絶対に運転してはダメだということは確認しておいてください。
免許が失効した場合、半年以内であれば、免許試験のうち学科試験と技能試験が免除されます。
適性試験、視力試験に合格することができれば、失効した運転免許を復活させることができるのです。
何らかの理由により免許更新できなかった人でも、再び運転できるようにする手続きがあるのですね。
詳しくは免許センターや警察署に相談していただきたいのですが、その際は、絶対に自動車を運転して行かないようにしてください。全てを失うことになりますよ。