「○○さんが美しすぎる免許写真を公開」なんて記事がありますよね。一般の方も「免許取ったよ!」や「更新行ってきた」などアップロードしています。
あれは一体大丈夫なのでしょうか。
運転免許証にはいろいろな情報が載っており、それがどこにどのように記載されているのか、実は知っている方は少ないです。「住所はちゃんと隠したから大丈夫」って思っていたけれど、実は別のところで手がかり情報が出ちゃっているなんてことが結構あるのです。
この記事では運転免許証のどこに何の情報が記載されているのかを紹介します。
運転免許証のどの部分を隠せばよいかがわかります。
氏名・生年月日・住所を隠してもわかること
たいていの方は氏名とか住所・生年月日あたりにマスキングをしていると思います。これならパッと見て個人情報と言われるものは無さそうですね。
注意したいのは運転免許証にはこれ以外にもいろいろな番号などの記載があること。これらを見る人が見ればいくつもの情報を得ることができてしまうのです。
もちろん正確に住所を特定できるということではありません。
ですが「この方の出身地は○○県じゃないか」とか「おそらく三十代後半の方だ」というようなことは十分推測できるでしょう。
問題なのは、本人が隠したいと思っている情報が他の箇所がヒントとなってわかってしまうところ。
望まない個人情報が出てしまうのが怖いのです。
1 誕生日
この方の誕生日は4月19日です。
免許の有効期限はその方の誕生日の一か月後までと法律で決められています。ということはここに記載されている日の1か月前が誕生日になります。
2 居住地
この方は東京都に住所を置いています。
写真の下にある赤字の部分は運転免許を公布した公安委員会名です。免許取得や更新は住所地の公安委員会で行うので、ここに記載のある都道府県に住んでいることがわかります。
3 出身地
おそらく宮城県出身です。
免許番号の最初の2桁は、初めにこの免許証を公布した公安委員会の番号です。
22なら宮城県公安委員会が公布したということ。初めて免許をとった地域なので、宮城県が出身地である可能性は高いです。少なくとも住んでいたことはあるはずです。
全国のコード番号一覧
北海道 北海道/10・函館/11・旭川/12・釧路/13・北見/14
東北 青森/20・岩手/21・宮城/22・秋田/23・山形/24・福島/25
関東甲信越 東京/30・茨城/40・栃木/41・群馬/42・埼玉/43・千葉/44・神奈川/45・新潟/46・山梨/47・長野/48・静岡/49
北陸・中部 富山/50・石川/51・福井/52・岐阜/53・愛知/54・三重/55
関西 滋賀/60・京都/61・大阪/62・兵庫/63・奈良/64・和歌山/65
中国 鳥取/70・島根/71・岡山/72・広島/73・山口/74
四国 徳島/80・香川/81・愛媛/82・高知/83
九州・沖縄 福岡/90・佐賀/91・長崎/92・熊本/93・大分/94・宮崎/95・鹿児島/96・沖縄/97
4 年齢
おそらく1983年生まれ。
令和6年時点で41歳くらいでしょう。
免許番号の次の2桁は、この免許証が最初に公布された年を表しています。
西暦下2桁なので、03なら2003年、95なら1995年です。もし18歳ではじめて何らかの免許を取得したという情報があれば、数字マイナス18がこの方が生まれた年になります。そこから現在の年齢がわかってしまいます。
また免許の条件等の中にも年齢(年代)がわかるものがあります。
「準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」(2017.3.12) がついている方はおそらく20代半ば以上、「中型車は中型車(8t)に限る」(2007.6.2)がついている方はおそらく30代半ば以上でそれからもっと上の年代も含みます。
少なくともそれより若いことはありません。
免許制度が二度改正されこの二つの免許条件がつくられました。その時までに免許を持っていた方にしかついていないものです。
上位免許をとると消えるので、条件のない方もいます。
5 再発行回数
何らかの理由によって免許証を2回再発行しています。
免許番号の一番最後の数字は再発行の回数です。
そんなこと一度もないよという方は0になっていると思います。この数字が多いか少ないかの判断はわかりませんが、少ない方が良い気がしますね。
免許番号の正体については様々な憶測が飛び交っており、犯罪歴、事故・違反の記録や運転免許試験の点数がわかるなんて噂もありますが、実際にはそんなことはありません。はじめの4桁は公安委員会と西暦、最後の1桁は再発行回数。それ以外は事務的な番号です。
6 免許取得日
この方は普通免許をとる前にバイクの免許などをとっていた可能性があります。
左下にある3つの日付はいつ免許を取得したかを示しています。
いちばん上は二輪や原付など。真ん中は普通免許など。いちばん下は二種免許です。その免許を持っていない方は日付が入っていません。これを比べると免許取得の順番がわかります。
そんなことわかって何の役に立つの?って思うでしょうが、あれこれ想像できてしまう部分です。
おとなしいイメージの方なのに最初にバイク免許をとっていたというというのは・・もしかしてヤンチャだったのかななんて考えることもできますよね(あくまでも想像できるということです)。
他に同じ公布日、たとえば二輪の交付日と普通の交付日が同じなら、まとめて免許をとったと考えられます。二つの教習を受けて免許センターに行ったなど、パックとか合宿の教習所に通ったのかもしれません。
再取得
さらにこれまでの情報を合わせてみて、30代40代の方が準中(5t)とか中型(8t)ではなく普通免許を持っていたり、はじめの免許証交付の年が最近だったりすると、何か理由があって再取得したのかなとかなんてことも想像できてしまうわけです(事故や違反だけででなく体調不良やうっかり失効からの再取得もあります。)。
運転免許のアップロードは危険です
有効期限で誕生日がわかります
公安委員会名は最近の住所地です
免許番号ではじめの免許の交付年と公安委員会、再交付回数がわかります。
免許の条件には一定の期間(年代)にしかつかないものがあります。
免許を取得した年月日と順番がわかります(一部)
これまで読み取ってきた情報の中には憶測を含むものもあり、絶対とはいえません。現在では免許を取得する年齢も方法もさまざま。18歳で普通免許だ!なんて決めつけることはできませんからね。
運転免許証には写真・氏名・生年月日・住所以外にもいろいろな情報が載っており、それを読み込まれると良くも悪くも想像されてしまう可能性があるのです。
隠し事は一切ない、知られても何も困らなければ全く問題はありません。
ですが、別に知られても得にならない情報ならわざわざ発信する必要はありませんよね。
それでも出すときはマスキング!「見せたい箇所」だけ見せる
基本的に運転免許証画像を不特定多数の人が見ることができる場所にアップロードすることはよくありません。
そんなことはわかっている!でも私はそれでもアップロードしたいんだ!という場合はどうすればよいか。
そのときは基本的に運転免許証の全てを隠し、見せたい箇所だけ出すのが良いでしょう。
例えば「免許写真が美しすぎる」ときは写真だけ出す、「バイク免許取りました」では免許の種類だけ出すなどです。
有名人の中に免許証画像を出している方もいますが、写真と氏名、生年月日だけ公開というパターンが多いです。
免許証番号などはしっかり隠されています。
プロフィールに公開されている情報だけ見せそれ以外は保護している。このあたりはポイントをしっかり押さえているんですね。