大型特殊免許のとりかた

フォークリフトや農作業自動車を運転するのに必要?


大型特殊免許は特殊自動車、いわゆる「働く車」のなかでも大きなものを運転するための免許ですので、そうでない方には必要のない、持っている方はかなり少ない免許であると思います。

ですが、特殊自動車というとわりと身近にありまして、たとえばフォークリフト、あとは農作業用の自動車。あれらも仲間です。

となると、「あ、俺仕事で使ってる」と、利用されている方の数はぐっと増えるのではないでしょうか。


おそらく皆さんがお仕事をされる際には、事業所の方でしっかり資格の確認などをされていると思いますのできっと大丈夫です。

ですが、万が一勘違いや確認ミスで運転してはいけない車を運転して事故でもしたら・・。泣くのは実際に運転している私たちです。

最悪の場合、運転免許が全部取り消されることもあるのです。

なので、今のうちに、自分の作業内容に大型特殊免許が必要となっている場面はないか、確認しておいてください。

そしてもし、大型特殊免許が必要となった場合、その試験をクリアするコツも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

大型特殊免許とは

まずは大型特殊免許について3つの内容を紹介します。


一つ目。「大型特殊免許が必要な場合」です。

大型特殊免許とは、巨大な「働く車」大型特殊自動車を、公道で走行させるときに必要となる免許です。このあとは「大特免許」と呼びますね。

この免許が必要となるのは公道での運転ですので、工場内など一般の車がいない場所で走行させるときは必要ありません。

ただし、工場の間に公道があってそこを横断するだけ!といった場合も免許が必要となります。

ちなみに運転するための免許ですので、実際に作業を行うことについては別の資格が必要です。

二つ目。「普通免許でも特殊車両を運転できる」です。


働く車の中には、小型特殊自動車に分類されるものが多くあります。

たとえば一般的な大きさ?のフォークリフトや農作業用自動車などは、小型特殊自動車に分類されているものが多いです。

これらの車を運転する場合「小型特殊免許」が必要なのですが、この免許は普通自動車免許の下位免許となるので、普通自動車免許を持っている方ならこれを運転することができます。

すごく簡単に言うと普通免許があれば、たいていのフォークリフトや農作業用自動車を公道で運転できるということです。

大特免許が必要な場合のほうが少ないかもしれませんね。

三つ目。大型特殊自動車と小型特殊自動車の違いは「車体の大きさ」です。


運転免許における自動車のほとんどは、車両総重量、最大積載量、乗車定員などの重さによって区分されています。

だから荷物をたくさん積んだり何人乗せても、上限を超えなければその車を同じ免許で運転することができます。


しかし大型特殊自動車と小型特殊自動車は車の長さ、幅、高さ(ほかに最高速度)によって分けられています。

なので、これらに変更があると運転できる免許も変わってしまうのです。

たとえば、農作業用自動車。普通の状態であれば小型特殊免許で運転できる車に作業機械を付けると大きさの制限を超えるので、大特免許がなければ運転できないということになります。

もし小型特殊免許(普通免許)しか持っていない方が作業機械を付けた状態で事故に遭った場合、無免許運転となってしまいます。

するとすべての免許が取り消され、2年間は新たに免許を取得できないというとても悲惨なことになります。怖いですね。

作業機械が小型特殊自動車の長さや幅の制限を超える場合は、外してほかの車両に乗せて運ぶか、大型特殊免許を持っている人に運転してもらいましょう!と呼びかけている都道府県もあります。心

当たりのある方は、車や機械の大きさを確認しておくことをお勧めします。

大型特殊免許の取得方法

つぎに大特免許の取得方法について紹介します。

今回の説明では、普通免許を持っている方が大特免許をとるパターンで考えていますのでよろしくお願いします。

大型特殊免許を取得するには、免許センターで一発試験を受けるか、教習所に行って6時限の教習の後、卒業検定を受ける方法があります。

どちらも試験の内容は同じですが、ハードルはそれほど高くありません。

それは大特免許の試験課題が、やたら少ないからです。


普通免許を持っている方の場合、大特免許試験は技能試験だけです。

技能試験は場内コースで行われ、主な課題は交差点の右左折と踏切通過、そして車庫入れと呼ばれる方向変換くらいです。

S字コースやクランク、坂道も教習ではやるかもしれませんが、試験ではなし。普通に右左折して方向変換をクリアできれば合格できると思います。


試験で使われる車両の多くは中折れ式のホイールローダー。

教習所などによっては後輪操舵の車を使用している場合もありますがかなり少ないので、ホイールローダーの操作だけを紹介します。

試験車両はかなり大きく見えるので、いきなりこんなもの運転できるのか心配になりますが、操作はそれほど難しくありません。

そして運転免許の試験なので、走行しながらバケットを操作することはありません。

作業器具の操作ができるかどうかなんてことはあまり重要視されていないようです。

まず運転席に乗ったら、準備をしましょう。

シートを合わせる、ミラーがあっているか確認する。

シートベルトもちゃんとありますので、忘れずに着けてください。

あと踏切を通るので、運転席側の窓を少し開けておきましょう。

準備ができたらエンジンをかけます。その後、各種レバーを使って走行に移ります。

レバー操作がわからないとき、試験官に聞けばたいてい教えてくれます。基本怒られないと思います。

走行前にバケットを上げます。

作業器具を地上から50センチ以上上げて走行しないと減点されるので、それだけは注意してください。

多少高い位置でも大丈夫なので、前方がみえにくくならない程度にしっかり上げましょう。

前進・ニュートラル・後退の切り替えレバーと、ギア変速のレバーがあります。

ギアの指定はありませんが、3段の場合2速発進がスムーズでよいと思います。

ハンドブレーキをしっかり降ろし、発進のウインカーを付けて出発しましょう。

ハンドルは片手でノブを持ってぐるぐる回すタイプ。

直線でフラフラすると減点されるので、空いている片手を沿えておくと楽です。曲がるときは片手ハンドルで全然大丈夫です。

中折れ式ホイールローダーの特徴は前輪と後輪が同じ位置を通ることです。内輪差はありません。

運転席に座ると前輪がどこにあるのかだいたい見えますので、左折では脱輪しない程度に左側端に寄せましょう。前輪が通れば後輪もおなじように通ります。

方向変換は向きが変わって出てくることができればオッケーです。

バックするときミラーをよく見て後輪をコース角付近に誘導できれば前輪も脱輪しません。

車庫から出るときも前輪が角近くを通れば後輪も同じ場所を通ります。

後退時、狙う位置はどちらかに寄せるのではなく、車庫の真ん中に入れるようにすれば良いでしょう。

多少斜めになっても車を停止させてハンドルを回せばまっすぐになります。(試験では曲がったり斜めになっていても減点されません)

そして試験の最後、駐車するときは、作業器具の一部を地面に必ず接地させてください。

これは車が動かないようにする安全のためです。

接地させる部位はどこでもいいので、コツッと感じる程度まで降ろして終わりにしましょう。


以上が大特免許試験のポイントです。

大特車の免許試験は外から見ると難しそうに見えますが、うまいように車が造られているので、思ったよりできます!

バケットを上げてから運転、運転を終わってからバケット接地という流れを手順どおりやれば大丈夫です。

それより免許を取った後の作業の方が、テクニックを必要とするかと思いますので、是非頑張ってください。


まとめ

大特免許についてまとめますと、働く車を公道で運転するときに必要な免許なのですが、小型特殊の範囲の車両であれば必要ありません。

しかし車の大きさによって免許区分が変わりますので、気になる方は必ず確認してください。


そして実際に免許をとることになったとしてそれほど難しい試験ではありませんので、安心して受験してください。